存在感を増す個人投資家(2020年7月31日)

 市場において、最近は個人投資家の存在感が増していると言われています。

特に、最近は新型コロナウイルス禍の経済への影響が中長期化が懸念される中にあって、日米とも株価が比較的高水準を保っている理由として、個人の投資活動が活発化してることを上げる市場関係者が出始めています。

 確かに、経済のファンダメンタルズを重視する機関投資家や、市場取引や制度の歪みを利用したりトレンドの転換点を重視するヘッジファンドとは異なる投資家として、個人の投資行動が再び注目されています。


存在感を増す個人投資家
・個人投資家の存在感
・市場での個人の動向
・個人投資家の存在感増加とその背景
・投資家の中での個人

リテール証券2019年度決算の動向~業務改革と提携戦略の狭間で(2020年7月2日)

 2019年度のリテール証券会社決算は、全体としては若干の減収に留まりました。

前半は、顧客本位の業務運営の定着を目指す中、米中貿易摩擦が激化し市況環境は厳しい状況でしたが、後半は米中関係改善期待が強まり米国株式が上昇トレンドに入って日本市場も底上げされましたが、3月には新型コロナウィルス感染が広まり市場が大幅な下落する局面もありました。


 主要なリテール証券会社21社の2020年3月期ベースの決算数値は、純営業収益が合計1兆6,620億円となり、前年度比3.1%減少。株式委託手数料は、(米国株取扱いで差がでて)各社まちまちでしたが全体では微減となりました。

☆リテール証券2019年度決算の動向~業務改革と提携戦略の狭間で
・2019年度決算の特徴
・リテール営業を取り巻く環境
・リテール証券の動向
・新たなリテール証券モデルを求めて

東証“現物市場の機能強化”に向けた取り組みについて~改革の課題と進化の方向性(2020年6月3日)

 株式等の取引において、テクノロジーの進化でより効率的かつ公平に売買執行できることは資本市場にとって重要なことです。問題は、それが誰にとってかということですが、勿論全ての投資家の為に公正性を確保することが市場関係者の最優先事項となります。

 実際の取引においては、取引所・PTS(私設取引システム)・ダークプールと取引の場があり、今や海外投資家から個人まで利用することが可能となっています。
また、取引所取引を中核にそれぞれの取引が関連性を強めています。
これら取引機能の改革に関して、東京証券取引所は”現物市場の機能強化に向けたアクションプログラム“を1月30日に公表し、金融庁はダークプール取引の透明化等に向けて関係法制度の改正のパブリックコメントを実施してるところです。

☆東証“現物市場の機能強化”に向けた取り組みについて~改革の課題と進化の方向性
・打ち出されたアクションプログラム
・市場改革の課題
・変化する市場機能
・テクノロジーと公正性確保等の問題

地方企業等へのリスクマネー供給と証券会社~協会の自主規制改正の意義(2020年5月4日)

 現在、日本証券業協会において地方企業等へのリスクマネー供給の円滑化を目的に、非上場株式の取引に関する自主規制改正が検討されています。規制緩和として、株式コミュニティ制度を利用した資金調達を容易にすること、プロ私募はプロの定義を緩和すること、クラウドファンディングを併用した私募を認めることなどです。これは、政府の「骨太方針2019」(2019年6月)において“地域に根ざした企業等における、株主コミュニティ制度などを利用した、株式による資金調達の円滑化を図る。”とされた政策目標を受けたものです。

☆地方企業等へのリスクマネー供給と証券会社~協会の自主規制改正の意義
・リスクマネー供給の政策とその現状について
・株主コミュニティの活用について
・クラウドファンディングと私募の問題
・証券会社のリクスマネー仲介機能についての可能性

ネット手数料ゼロ時代のリテール証券の在り方~新たな証券ビジネスモデルの可能性(2020年3月31日)

 ネット証券を中心に手数料無料化の動きが強まっています。昨年10月末にSBIホールディングスが3ヵ年計画で株式関係の手数料(SBI証券、SBIネオモバイル証券)の完全無料化を目指すことが公表し、米国においても11月にチャールズ・シュワブが株式等の手数料を無料化しました。
その後、ネット証券を中心に株式売買手数料を一部無料化する動き強まり、その中の数社は信用取引の金利を引き上げる動きもありました。
また、投信関係についても、一部投資信託のネットでの募集手数料を無料化する動きが、大手証券や金融機関・運用会社の直販でも拡がっています。

☆ネット手数料ゼロ時代のリテール証券の在り方~新たな証券ビジネスモデルの可能性
・手数料無料化の動向とその背景
・証券業務におけるインターネット利用と新たなネット証券ビジネス
・デジタル化時代の証券ビジネスモデルの可能性
・ネット手数料ゼロ時代の対面営業での成長戦略の可能性

日本銀行によるETF買入れ動向~ETF貸付制度と出口議論の行方(2020年3月3日)

 日本銀行によるETF買入れが、日本市場を支えているのは多くの市場関係者の一致するところでしょう。2019年、日本銀行は合計4兆2,820億円のETF等の買付を実施していますが、内訳については指数(TOPIX、日経225、JPX 日経400)に連動するETFが3兆9,472億円、設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するETFが2,940億円、J-REITが408億円となっています。
実際の買入れについてみると、指数連動ETFは市場が大きく下落した時(3ケタの下落した場合との市場関係者の指摘が多い)、また設備投資・人材投資ETFについては毎日12億円ずつの買付けが続いており、J-REITは市場が大きく下げた場合や下落トレンドに入ったと見られる時に1日12億円の買付けが実施されています。

☆日本銀行によるETF買入れ動向~ETF貸付制度と出口議論の行方
・ETF買入れの現状と政策動向
・ETF貸付制度について
・ETF買入れの影響に関する論点について
・敢えて考える出口戦略について

個人投資家の実像と変化~高齢化とフィンテックの中で(2020年2月3日)

 “貯蓄から投資へ”の政策が始まって20年近く経ちますが、その間、小泉改革・リーマンショック・東日本大震災・アベノミクスなどがあって、個人の投資を増やすという目的は変わらないものの、背景とするものは少し変化しているのではないかと思われます。
小泉政権による「骨太の方針」(2001年6月)で政府の政策として初めて掲げられた後、前半は投資に係わる規制緩和と個人投資への税制優遇(軽減税率など:例えば2013年末までの申告分離課税20%→10%)など個人の資金をより多くリスクマネー供給に向かわせる政策が中心でしたが、アベノミクスでは、我が国の高齢化社会進行を睨んで、多くの個人が投資により老後資金を確保することを可能とするような少額投資非課税制度(NISA)や長期投資を促すような施策が取られています。

☆個人投資家の実像と変化~高齢化とフィンテックの中で
・個人の投資と個人投資家
・個人投資家はどう動いたか 
・個人投資家の実像をどう捉えるべきか
・個人向け投資サービスは何が変わるか

再び注目されるESG投資について(2020年1月6日)

 ESG投資に係わる動向について、市場関係者の間にも再び関心が高まっています。ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に配慮した投資ですが、これらの基準に基づく企業への株式投資に限らず、グリーンボンドなどの債券投資においても、運用成果が優れているとの考え方が浸透してきました。
 個人投資家にとってのESG投資は、老後資産形成の為などのiDeCoや積立NISAなどの長期投資であれば、GPIFの様に運用成果向上が期待できそうです。また、直接の投資効果だけではなく、環境や社会問題への投資を通じた貢献ということでは、資金使途が明確でその利用効果なども報告されるグリーンボンドやソーシャルボンドは一層の拡大が期待できます。

☆再び注目されるESG投資について
・ESG投資に係わる動向について
・ESG投資を取り巻くもの
・ESG投資への取組みについて
・投資家視点から、どう見るべきか

市場構造問題の動向~問題とその論点について(2019年12月9日)

 市場構造の在り方に関する議論が、金融審議会「市場構造専門グループ」で10月5日に再開されています。この問題は、今年5月(2回開催)に検討がスタートしましたが、6月初めの年金2000万円不足問題や東京証券取引所(以下、東証)の「市場構造の在り方等に関する懇談会」での東証1部時価総額基準の水準が野村證券委員により同社営業部門への漏えいした問題の影響もあって、4ヵ月間の中断となっていました。
本来ならば市場運営の問題なので、取引所と直接の取引参加者たる証券会社で決定されるべきことですが、コーポレートガバナンスや企業価値向上などの問題も絡み、経済産業省などの要望もあって、金融制度を議論すべき金融審議会と取り上げられていました。年内12月中に報告書案が示されるようですが、改めて市場区分の意味(例えば、東証1部とは何なのか)を考えさせられます。

☆市場構造問題の動向~問題とその論点について
・日本の市場構造は何か問題なのか
・市場構造議論の背景
・目指すものと現状のギャップは何か
・投資家視点から、どう考えるべきか